これまでスポーツバイクに乗り始めて、トゥークリップでMTBに乗るという恐怖な時代もを経て、最初になんとなくシマノを使ったこともありましたが、競技を始めてからと言うものの、TIME/Atacシリーズ一筋。
PAXのキクちゃんも現役時代はずっとTime使いでしたが、そんな彼が台湾から見つけてきた「HT」私も今シーズン導入する事にしてみました。
早速スペックから。おそらく同価格帯のモデルのスペックは以下の通り。
HT
Leopard M1
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シマノ XTR
M9000
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Time
Atac xc8/6
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価格
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13800円
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約14500円
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22000円/14000円
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重量
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298g
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310g
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286g/290g
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ボディ
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アルミ
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アルミ
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カーボン
/樹脂ボディ
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ペダル軸
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スチール
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スチール
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スチール
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※
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リビルド用工具付属
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ー
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ー
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※フラッグシップは他にもありますが、オフロード機材として自分が選ぶ現実的な相場をチョイスしました。
HT Leopard M1 インプレッション
・構造は前方がワイヤーバネ、後方は機械式プレート。その構造ゆえにステップイン最近のTimeに近い感じで、バネの軽い感じの「パチッ!」でハマッて、ステップアウトはシマノみたいな解りやすい「ガチョ!」の機械っぽい感じ。
・フローティング
クリートは「X1(4度首振)」と「X1F(8度首振)」の2パターンが基本選択肢で、「F」がそのままフローティング機能が強化されたタイプ。「X1」は僅かに動いて、「X1F」は捻れば「それ無理がありまっせ」くらいの膝の角度までは動かせます。
・クリートの特徴
タイムはクリートの左右位置が固定だけど、ペダル側に遊びがあるので、漕いでいれば勝手にその人にとって適切なクリート位置になる「セルフセンタリング機能」(勝手に命名)がある。その一方シマノはクリートの左右位置が調整出来る変わりに、ペダル側に遊びがあまりなく、定位置で固める感じ。
HT Leopardはクリートが左右調整幅の調整が可能&Timeよりは遊び幅が少ないですが、ペダルの内側を踏むか、外側を踏むかで数ミリの範囲で位置を変えられます。個人的にはペダリングの為にクリート位置の左右をどうこうよりかは、靴とペダルの設置面をベストセッティングを調整する目的で、クリート調整するのが良いのかなと感じました。
「じゃあQファクター調整出来ないじゃん?」と言う問題については、PAXオリジナルでHTにショートスピンドルも用意してもらえる様にするらしいので、女性や小柄な選手も安心です。
・ライディング中のフィーリング
登坂やペダリング中は特に他社と比較する点もないかなーという一般的なフィーリング。ダウンヒルでテールスライド、ウイップ、急な脚出しターン等のアクションを一通りやってみましたが、Time XC8等のレーシングペダルと比較しても遜色のない踏ん張りの効きでした。踏み面の大きさも一般的なレーシングペダルと同等なので、「HTだからダメ」という点も特に見当たらず。
他モデルとの比較
・ボディが金属
Timeは1シーズンフルで使うと、結構ボロボロ・・・と言うか割れたりも。樹脂ボディゆえに軸受けが磨耗して、ペダルのガタがでるなんてのもTime使いの宿命。で、Timeの金属ボディを使い始めるとフィーリングは良いのだけど、重量が・・・「メタルボディのアタックがあれば最高なんだけど」とは良く思ってましたが、HTはその点で比較優位。
あと、近年のTimeにだけ発生した問題として、バネ軸受けの樹脂ボディが割れて走行不能になるケースが・・・故に私は旧型ATAC&ATAC ROCをCXレースでは主に使用していました。これは、「Time Atac XC○シリーズ」になってから、自分もエリートの仲間も発生しているトラブルなので、構造上致し方ないのかもしれませんが、ボディが金属である安心感は数グラムの重量差より大きいです。
・トラブル
シマノのXTRは泥レースやクロスのレース会場でペダル軸から、ボディが抜けてしまうと言うトラブルを数件目撃しました。これは、「そりゃそうだわ」と言う構造で、ペダル軸とボディの固定方法に注目して欲しいのですが、ペダル内側の踏み面とツライチで固定用のナットが設けられており、泥や乗り降りの多いレースでペダルを「ガッガッ」と踏みつけると靴のエッジでナットを踏んで緩んでしまってる様です。ペダルのスタックハイトを最小限にする為に、固定ナットを外側に出したそうなんですが。そのメリットが仇となる場合もあるようです。(と、シマノじゃない某社の方も認めてた。)
その点、軸の固定ナットがボディ内に入ってるHT、Timeは保守的です。また整備ツールが同梱されてるHTは個人的に好印象です。(無駄に分解してグリスアップしそう。)
☆総合評価
『Timeほど「ムニムニ」の感覚はないけれども、適度なフローティング感で十分と言う方は、特に不満なく使えそうなスペックのペダル』・・・と、書くと素っ気ないかもしれませんが、先行使用しているエリートレーサーから不満がでないで実戦に即導入できると言う事実を鑑みていただければ、レーシング用途としては申し分無いスペックなのかと考えています。
本質的な話ではないですが、PAXチームはみんな自転車の色が黒なので、カラーが沢山あるのは見分けが付けやすいので、助かります。