2014年11月13日木曜日

シクロクロスの3種の神器?IRCのチューブレスシリーズに関して。

さて今シーズンのCXシーズンはMTB最終戦が10月の終わりだったこともあり、出遅れた感がありますが、秩父C1-優勝、幕張C1-19位とまずまずな滑り出し。これは新たに導入したディスクブレーキとチューブレスタイヤに助けられてる部分が非常に大きいので、ここで語らせてもらおうかななんて思います。今回はタイヤについて。

秩父CXは典型的なジャパニーズ山クロスでコースがすげーテクニカルでC1の参加者もMTBからそのまま来たっていうメンツ。ここではテクニックもさることながら、コースに合わせた機材が重要なワケで、雨が予想されてた事もあり、PAXチームのGMキクちゃんからはIRCさんのSERACCX/MUDと新型チューブレスホイールを直送されて、とりあえずそいつを使ったら、MTBエリートライダーの総決戦とも言えそうな状況の中、調子良く勝ってしまいました。それ以来、自分の中でチューブレスタイヤ熱がメラメラ。翌週の幕張でノーマルSERACと新型のSANDをIRCさんの計らいでテストさせて頂く事と相成りました。

まずTLタイヤは北米ではかなりの市民権を得ているようで、どのクリンチャータイヤならTL化出来るのかなんて言うまとめページもあったりとなかなかの賑わい。そんなモメンタムの中で出てきたCXに於けるIRCの三種の神器。確かにDugastやFMBのタイヤの「フワーっ」とした乗り心地は最高だけど、実は結構実用ギリギリの空気圧だったり、CXメインでない選手には財布的にもギリギリな感じ。そういうトップティア層に対して、IRCのTLはどうなの?と言うトコだと思いますが、個人的に感じた3種の共通項は以下の通り。

・チューブレスだから取扱いが楽。作業時間数分。
・チューブラとそこまで差を感じない路面追従性。MTBer的にはIRCのチューブレスらしい安心感としっとりした乗り味。
・1.6気圧前後でタイヤが潰れる事はあっても、Fatalな空気漏れには至らず。低気圧に頼って粘って欲しいとこで粘る。
・マッド、ドライの両方のレースで激しく走ったけど、リムからビードが外れるなんて事にはならず。
・トップ選手が言うとこのチューブラらしくタイヤを潰して、ブリッとどりゃって曲がるのなら、そういう走りには向いてなさそうだけど、そもそもそんな走り方を国内でやってる(出来る)選手はトップレーサーの数人くらいですし、所謂CX通な店長でもほんの数人なので、それよかラインをキレイにトレースして走るってのが乗り物スポーツの大原則に沿うなら、これくらいがいい塩梅なんじゃね?と言うスイートスポット突いてくる使用感。

で、以下個別銘柄毎の特徴。
SERAC(ノーマル)
・MTBのシラクみたいに軽いと言うかセンターリッジの気持ち良い走行感。これがスタンダードと思って、CXに参入してきた人は多分ものすごく幸せモノ。ザ・スタンダード。

MUD




・圧倒的な泥ハケとグリップ。秩父はコレとディスクブレーキのメリットをフルに使って、難コースを攻めれた。
・今年の全日本のコース@菅生は雨なら絶対にコレ。後輪は逆ローテーションで使おうと思います。
どろどろなドロップオフでも確りコントロール効いてます↓












SAND
・ほぼロードタイヤに砂目パターンなので、圧倒的な加速力。幕張のコースでは必要十分なグリップ&トラクション。
・乗り心地最高なので、グラベルライドにもちょー良さげ。というか、シーズン後にそのまま履いておけば、春からもCX車でロードトレーニング出来ます。(CX車に25Cとかのロードタイヤ履くと、外径が小さくなってフィーリングが急にクイックになっちゃうけど、これなら春・夏でも違和感無く楽しめそう。









と、まぁこんな具合。総じて使い易いし、コースコンディションに合わせたパターンがそれなりに低予算でそろえられるのは、アマチュア選手としては魅力的。機材のことをあまり考えずに、平日は仕事とトレーニングに集中して、週末レース会場に行ったら、思いっきりレースを楽しめる。そんな使い方が出来る点で、個人的にはココは大きなポイント。
幕張ではタイヤが剥がれてトボトボと副都心の歩道橋を歩く姿を数名お見かけしました。せっかく遠征して、タイヤをはがして帰っちゃうのも勿体無いので、とりあえず1セットスニーカー的に持っておいても良いと思うんですよね。

他にもいろんなメーカーのクリンチャータイヤと比較して見ましたが、感覚的にはIRCの三本があったら他いらねんじゃね?と思います。(詳しくは書けないので聞いてください。)

こんだけ書いておきましたが、そうは言ってもチューブラは確かにしなやか。そこではどうやっても勝てません。ただ、タイヤのしなやかさだけで乗り味を語るのはなんだか違うのじゃないかなと思います。
と、言うのもMTB乗りの立場から見てみると車輪全体の柔らかさもバカには出来ません。クロスでもロードのカーボン車輪を使っている方も多いかとは思いますが、ロードレース用にカッチリ走ることを目的に組まれたホイールは乗り心地が縦にも横にも硬いです。その乗り味を緩和させる為か、高級チューブラを入れてるなんていうケースもあるんじゃなかろうでしょうか。その一方でパワーバンドが比較的男子アマに近いW杯の女子レースを見ると意外とトップクラスの選手でもアルミの手組みが多くて、剛性のコントロールを図っている様子が見受けられます。そんな事を総合的に勘案するとPAXPROJECTは同じくらいの重量でカーボンもアルミも用意しており、CXでの使用を意図してキクちゃんが組んでくれますんで、バランスが取れてるんじゃないかと感じる次第。(特に自分の使ってるリムはIRCのチューブレスを使ったときに綺麗に33mmに納まるように職人技的に開発されたらしい逸品。)

その辺の車輪としてのパッケージングに関するノウハウはPAXCYCLEさんとチーム員の皆さんのとこに蓄積があると思いますんで、会場でお気軽に声を掛けていただければと思います。

PAXPROJECTチームはアマチュアがガチで楽しくレースをするためのチームですので、いたづらに高級機材を使うのではなく、コストとベネフィットの天秤でバランスが良い機材の使い方も提案していくお手伝いが出来たらいいなと思います。

>IRC様
今回は貴重な機会をいただきまして、ありがとうございました。





2 件のコメント:

くま さんのコメント...

SAND欲しいのだが
手に入る?

The leading さんのコメント...

僕も借りただけだったので…来月にも製品版がローンチらしいです!